monsolbier’s blog

日記代わりの地味ブログです。

思うのは簡単、実践は困難

それを象徴する童話を子供の頃に読んだ。

オスカー・ワイルドの幸福な王子。

幼児期の感想 :
「これのどこが幸福だ!」

成人後の感想 :
「王子死ね!」

まあ、同じような感想である。子供の頃の後味が悪いと感じた物語がもう一つあったがそれもオスカー・ワイルドだった。

幸福な王子については色々な考察があり文章の中にどうにか救いを求めようとするものや、一方の愛を思うものの他方からの愛には気づきもしないとか、キリスト教に照合するとか色々だ。正直、たまに思い出してみてもこんなに大人になってもあの物語が何を示唆しているのか全く掴めなかった。

最も納得できた考察はこれだ。
https://m.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/q1349702698
王子の思考、いや思い付きとツバメの行動は一つとして捉えるという考え方。確かにこう考えなければただただ気の毒なツバメの物語だ。可哀想なツバメの物語だとここから得られる示唆など「気をつけろ!!善意の罠にハマるな!!死ぬぞ!!」だけだ。

こんなに食べなければ痩せるのに、無駄遣いしなければ貯金貯まるのに、ああしたらいいのに、こうしたらいいのにと思い付くのは実に簡単だ。



もっと仲良くしたらいいのに

紛争なんてやめればいいのに

どんな王子でも簡単に思い付くが、実践は命がけだ。紛争に関してはいったいどれほど多くのツバメが命を落としたか考えると幸福な王子の物語からはとても大きな示唆を得られる。



オスカー・ワイルドの言いたい事は、
「で、アンタらはどの生き方を選ぶんだ?」
これではないだろうか。